【岡山】平均70歳の組織が住民から200万を集めてスタートさせたお店〜集落のインフラを自分で創る

岡山のNPO・市民活動、地域組織を支援するのみなさん、京都からのメンバー、東京からのみなさんが一緒になって研修をしているのですが、今回は岡山のみなさんが支援に入った現場にご案内いただきました。

ご紹介頂いた集落の取り組みがとてもステキでしたので、レポートをしたいと思います。

きっかけはJAの撤退

旧JAだった広場。赤い建物が夢百笑

岡山市から車で赤磐市仁美地区は、人口約1300人500世帯ほどですが高齢化率が約50%と、いわゆる中山間地域のかかえる高齢化の深刻化が進んでいました。

しかしこの地区には幹線道路沿いに食堂はあるもののコンビニや商店がなく、食材や日用品はバスやマイカーで買い物に出るか、地元JAが経営する直売所で地域の方は買い物をされていたそうです。

この広場にはJAだけでなく現在も診療所があり、役場、警察などもあったそうですが、現在はそれらも撤退されているそうです。

そんな中、JAの直売所が赤字を理由に撤退することを決め、これをきっかけに住民の間では「買い物」が地域課題としてクローズアップされていきます。

高齢者見守りと買い物支援、利用増 赤磐の過疎地域
山陽新聞 2016年10月31日http://www.wam.go.jp/content/wamnet/sppub/top/fukushiiryounews/20161031_103100.html

住民同士の出資 夢百笑のオープンへ

お話を聞かせて頂いた 歳森 正一さん(NPO法人まちづくり夢百笑)

2013年の3月にJAの直売所が閉所となったものの、わずか2ヶ月後の5月には新しい地域の買い物の場がオープンされました。それが「夢百笑」です。

地元の歳森正一さんが中心となり、まずは4名の友人グループで話し合い、地域に5000円ずつの出資をよびかけ目標金額の200万を達成。現在はメンバーが増えたがそのほとんどが70〜80代だそうです。

最初は「JAがやってもダメだったのに、経験がない中でできるのか」と時には笑われた事もあったそうです。

しかし歳森さんは長年郵便局に勤められ、地域をまわっておられました。その時のつながりから、「どこの家の誰が困るかがわかる。その人達のことを説明するとみんな解ってくれた」と言っておられました。

制度ありきではなく、本物のニーズから出発した活動であることがわかります。

地域の産品や、日用品が売られています。

広がる展開は宅配・宅食へ

宅配エリアの説明をする歳森さん 地域の特色として山と谷が深く、届けるために大きく迂回しなければならないエリアも多いそう。

夢百笑では宅配も行っています。豆腐一丁から届けられるそうです。

以前は特定の拠点に車で行って販売されていたそうですが、高齢化が進むにつれ、シニアカーでも来れない方が増えていることから、徐々に個別のお宅に届ける機会が増えているそうです。

「配達先の方が温かい缶コーヒーをくれて、これを飲まないでホカロンの代わりに使えと言ってくれた」と歳森さん。

宅配先の高齢者にとってはアイドルのような存在になっておられます。

また、宅配弁当を届ける事業では、多いときは120食ほどがでるそうで、現在では社会福祉協議会からの委託事業も受けられているそう。

店舗で販売している野菜などをうまく活用することで循環しているそうです。

夢百笑の挑戦から生まれているもの

らーめん 1杯500円 

夢百笑は奥が飲食提供のサロンになっており、名物は「ラーメン」。

メンバーの方が研究してつくられたその味は、「地域のお年寄りが作りました」というようなストーリーありきではなく、確かな美味しさがありました。

詳しいラーメンの味のレビューは世のサイトを見てもらうとして、地域づくりの多くのヒントがある先進的な取り組みだと思います。

まちづくりでは以前も「手作り公共事業」として、地域の道を自ら修繕していく「道普請」の取り組みが取り上げられましたが、それらは古くからムラの共同事業でした。

一度高度になった生活水準はかつてに戻すことは中々難しく、高齢化から新しいあり方も必要です。

夢百笑の取り組みは、インフラとは何なのか、お金や運営を誰が担うのか。

高齢化していく中での担い方、どうしたら「やらされている」のではない雰囲気で取り組む事ができるのか。そんな観点からもとてもステキな取り組みだと思います。

お話の後もそんな事をディスカッションさせて頂き、たくさんの学びを得ることができました。

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