市民活動やサークル、学生団体にとって、「自分の取り組みが新聞に取材、掲載される」のはとてもうれしいことです。
社会的に認められたり、記事を応援してくれている方が読んでくれたり、まったく知らなかった方が自分の取り組みを知ってくれる。
とても素敵な循環が生まれることでしょう。
しかし、そんな新聞記事も「著作物」だという事に注意する必要があります。
新聞記事も著作物
著作権法の第2条で、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」と規定され、新聞や雑誌の記事も著作物になります。
これらは私的に利用する範囲において、コピーすることが認められています。また引用としての利用は認められます。
記事の引用の場合は、カッコでわかりやすく表示する等、引用のマナーを守りましょう。また学校の授業などで利用する分には認められています。
詳しい利用方法は大手各紙のコメントを参考にして頂きたいと思います。
下記にリンクを貼っておきます。
私的って何?
「私的なら使っていい」とは言え、「私的」の範囲は難しいと思います。
現状では原則「家庭内」と考えておけば問題ないようです。また、これが難しいのですが「個人的な限られた範囲」というのも許可されています。
「個人的」とは、弁護士法人フラクタル法律事務所によれば以下のようなケース。
個人的にとは、集団や組織の活動としてではないという意味です。複製する一人の人間が、自分の意思で行う場合と考えて下さい。社内報やメーリングリストなども、内部資料の範囲を越えてしまうという判断がされるケースもあるそう。-著作物の利用が可能な場合
SNS(Facebook等)へのアップについて
「フェイスブックに「新聞記事の写真」をアップ 「著作権法」に違反しないか?」の記事には梅村陽一郎弁護士へのインタビューとして、以下のようなコメントが掲載されています。
「著作物である新聞記事や報道写真であっても、自分のクリッピング(切り抜き)のためにスマホで撮影するのであれば、私的使用目的であり、合法ということになります。しかし、フェイスブックなどで公開するつもりで撮影するのであれば、私的使用目的とはいえませんから、複製権侵害となります。また、実際にフェイスブックなどで公開すれば、公衆送信権侵害になります」
新聞社が運営しているオンラインサイトではFacebook用のシェアボタンが設置されています。それを活用してのシェアが望ましいようです。
しかし、地域で活動されている方々の記事は「地域面」に掲載されることが多く、オンライン記事にならないケースもあります。
わたしたちが掲載された際の対策
わたしたちは、新聞を斜めから撮影して、記事が全ては読めない写真を撮影したり、モザイクをかけて本文を全ては読めないように加工した写真を掲載しています。
その上で出典を記入し、中身は紙面を読んでいただくようにして投稿しています。
これも完全にOKなのかは専門家に確認中です。
Facebookでシェアする際には、「新聞に掲載されたことを伝えるだけではなく、自分でその事についての文章(記事)を書いた上で、その証拠として写真を載せる」といった場合はOKという見解も今回みつかりました。 博多駅前フェースブック活用研究会(福岡)
ただ写真を載せるのではなく自らの文章があって投稿している事も、SNSへの投稿では大事なことです。
それは著作権対策としてだけでなく、その記事を読んでもらうという意味でも重要です。
まとめ
今回調べ、記事を掲載したい場合は「著作者に正規の手続きをとる」のが最も安心だということがわかりました。
しかし、「自分たちの活動が取材され記事になり、それを自分たちが拡散する」という、「悪意のない拡散」は普通は問題ないのでは?と一般的には思うと思います。
昨今は勝手な利用や引用など「悪意ある」利用も言われています。どんな意図なのか、悪意を見分けるのも難しい。
取材された側は取材された際に「これは自分たちのFacebookなどでシェアしてもよいか?」と予め聞いておく事も大事です。
現状では記事も著作物だという認識を持ち、「本文を読める状態での撮影、SNSへのアップは、慎重に行わなければならない」という認識を持つことが、まずは大事かなと思います。