【京都】プロスポーツ選手のセカンドキャリアを「エコボール」をヒントに考える

京都市内のホテルで開催されたエコボール全国集会

京都駅すぐのホテルにて、「エコボール」にまつわるみなさまが集っての全国集会が開催され、混ざって勉強させて頂きました。

エコボールとは何!?

エコボールとは、みっくすはあつさんのホームページによると以下のような取り組みです。

エコボールとは・・・

使っている内に糸が破れた硬式野球のボールを一球 50円で修繕するお仕事です。高校の硬式野球部やリトルシニアリーグの選手の皆さんが練習で使われているボールを、スタッフが一針一針直して、もう一度使えるように再生していきます。修繕費は、他の仕事と同様に全てスタッフの工賃に還元しています。

NPO法人 就労ネットうじ「みっくすはあつ」HPより

障がいをもっておられる方々の、野球のボールを縫って修繕する仕事です。

地元東宇治高校出身の大門和彦さんは元プロ野球選手(大洋)であり、母校を訪問された際に高校球児が糸が切れたボールを自ら縫っている姿を見られました。

練習用のボールも予算が潤沢な私立高校はたくさん買えますが、公立高校は破れたボールも自ら縫い直して使っており、大門さんご自身も高校球児の時代には「もっとボールがあれば効率よく他の練習ができるのに…」と感じておられたそうです。

障がいを持った方の就労支援に取り組んでおられた、宇治のNPO法人就労ネットうじ「みっくすはあつ」さんに、ボールの修繕が障がいをもたれた方の仕事になるのではないか、と相談されました。

施設のスタッフとエコボールという事業名から考えていかれたそうです。上手に縫うには試行錯誤が必要だったそうですが、少しずつ他の就労支援施設にも広がっています。

エコボールについて語る大門さん

広がるエコボール

エコボールに取り組む事で、作業を行うみなさんにも変化が起きているそう。

はじめた時は縫い目が逆だったり凸凹していたりといった技術の問題があったものの、現在はそれらを克服し、質が向上しているそうです。

仕事に消極的だった方が積極的になった、エコボールを縫うスタッフと高校球児との交流を通して、高校球児たちにものを大切にする気持ちが広がっている、甲子園出場校の応援にエコボールをつくったスタッフが行く、といったような交流が生まれています。

大門さんが元プロ野球選手の人脈を活かし、高校の監督さんにエコボール事業を紹介し、監督から監督へ、高校から大学へと取り組みは広がっていきました。

2017年2月現在、21の事業所で修繕され、高校120校、大学18校、独立プロリーグ1チーム、リトルシニアチームなど40チームの計179団体が購入する活動に発展しているそう。

そんなエコボールの取り組みは、シチズン時計株式会社が行っているシチズン・オブ・ザ・イヤーを受賞されました。

シチズン・オブ・ザ・イヤー 市民社会に感動を与えた、あるいは市民社会の発展や幸せ・魅力作りに貢献した市民(個人もしくは団体)を表彰する取り組みです。

今後は、海外の野球をやっている国にも広げていきたいと語られていました。

プロスポーツ選手のセカンドキャリアとエコボール

1球あたり数十円のこの作業は、大きく儲ける事は難しく、工賃アップに課題を残すという事が参加者で共有されていました。エコボールに取り組む方々が全国から集い、その課題をどう克服していくかが話し合われていました。

この取り組み自体がおもしろいと思いながら、仕掛け人としての大門さんがステキな方でした。

2016年 現役若手プロ野球選手への「セカンドキャリアに関するアンケート」によると、プロ野球選手の現役引退後に約7割の選手が「不安がある」と回答されています。

WEBでセカンドキャリを検索するだけで、多くの記事がひっかかります。

進路についても引き続き指導者としての関わりを望む方が最も多い中で、大門さんは事業者としての道を歩んでおられます。

エコボール事業は、野球関係者以外の方では中々気づくことができない事業です。

グラウンドの中と世の中をつないだ、マルチなキャリアからの「気づきの視点」が、逆に野球界に還元されていく姿に、直線的な関わり方だけでなく、野球に関わり続ける姿を見た気がします。

セカンドキャリアを考えるヒントにオススメなのはこの書籍

著者の阿野氏は元巨人の野球選手。当時の公衆電話が10円でかけられた事から「10円玉1枚の解雇通告」と言われるほどあっさりとした解雇通告から、建築業界に転職。後に独立し、年商12億、2016年現在は80億と言われる業界屈指の会社に成長させた方です。

王さん、長嶋さんとのエピソードもあって野球武勇伝としてもおもしろいのですが、随所にビジネスマンとして大事な考え方が散りばめられています。

しかし何だかんだ、横浜DeNAベイスターズファンとしては、大門さんと食事させて頂いた際のプロ野球舞台裏に、1番興奮したのでした。